●西口文也
9回2死といってまず最初に挙げたいのがこの投手、西武ライオンズンのエース西口文也。
西武と言えば松坂大輔が注目されやすいけど、安定感や信頼感ではやっぱり西武のエースは西口だと思う。
西口の9回2死にまつわるエピソードがこれ↓
過去に2回、9回2死まで抑えながらノーヒットノーランを逃している。
こんな芸当なかなかできるもんじゃない。
●2002年8月26日、西武−ロッテ 21回戦 (西武ドーム)
西武が6−0で迎えた9回2死まで無安打無得点。7回2死に福浦に四球を出すまでは完全試合ペース。
しかし、最後のバッター小阪にカウント0−2がらセンター前にヒット。西口ガックリ。
このときのコメントは「2回ぐらいから意識した。最後はハラハラドキドキだった」。
●2005年5月13日、交流戦 西武−巨人 1回戦 (インボイス西武)
歴史は繰り返される。
このシーズンから始められたセ・パ交流戦でふだん顔を合わすことのない巨人との第一戦。
この日の西口も自慢のスライダーに加え、力のある直球、そしてフォークが効果的にくるという手の付けられないくらいの出来だった。与えたランナーも2回に清原への死球だけ。
西武がこれまた6−0で迎えた9回2死まで無安打無得点。あと一人。迎えるバッターは清水
西口が投げた105球目のスライダーが、真ん中低めの絶好球に。完ぺきにライトスタンドに打ち込まれた。
試合後のコメントは「ノーヒットノーランも、完封もなくなったけど、チームが貯金できたことがよかった。でも、ファンの人にはスイマセン、ですね」
野球の神様は西口を見捨ててはいなかった!
西口伝説はまだ終わりじゃない!同じ年にさらに!日本中の野球ファンをこう思わす試合があった!
西口かわいそすぎ...
●2005年8月27日、西武−楽天 18回戦 (インボイス西武)
試合が始まる前、この日の注目されていたのは大記録(?)を演じた西口ではなかった。
両チームの先発投手は西武 西口、楽天 一場。注目を集めていたのはこの楽天のゴールデンルーキー一場靖弘の方だった。一場はシーズン当初から開幕一軍で先発ローテーションの一角として期待されていたがずっと結果が出ずにしばらく二軍で調整をしていた。それまでの成績は0勝7敗。およそ100日振りの一軍のマウンドに注目が集まっていた。
大方の予想は楽天の一場が打たれこまれて西口がピシャリ。
そしてプレイボール!西口は予想通り尻上がりに調子を上げていった。
7回くらいから雰囲気を出してきた。これはひょっとしたら。
さらに8回が終わっても楽天打線は一人のランナーも出せていなかった!
しかし、同時に西武のスコアボードにもずっと0が並んでいた!
楽天の一場がソフトバンクの斉藤和己から学んだ「よそ見投法」とやらを発揮して西武打線を8回終了まで0点に抑えていた。
両チーム無得点のまま、9回表楽天の攻撃へ
あっさり9回2死。27人目のバッターは藤井。西口はここまで来たことが2度ある。
そしてことごとく打たれてきた!
3度目の正直と言わんばかりに、西口は藤井をなんなくショートゴロに打ち取った。
9回27人の打者をパーフェクト!!
ついに西口は9回2死の壁を乗り越えた!!
しかし、これでも完全試合にはならない。
まだ勝負が決まってない。
西口にできることは。。。 ただ味方の援護を待つだけ。
9回裏西武の攻撃、2死ながらも1、2塁西武サヨナラ&完全試合のチャンス!
しかし、ゴールデンルーキー一場は9回を投げきったwww
最後の最後まで西武打線に点を与えなかった。
そして至上初めて、9回27人の打者を完全に抑えた投手が10回のマウンドを踏むことになった!
しかし、西武ファンの期待を10回表の先頭バッター
28人目のバッター沖原佳典を迎えたとき、
夢は潰えた。。。沖原はライト前にしぶとくヒットを放ってしまい、
西口は大記録を逃した。。。
その後、西口が10回表も0点に抑えると、
皮肉にもその裏、石井義人がサヨナラタイムリーを放ち試合は西武が勝った。
2度のノーヒットノーランを逃しただけでなく、
確かに9回2死を乗り越えたはずなのに、
完全試合がただの完封勝利になった不運な西口は間違いなく西武のエースである。
試合後、完全試合を逃した西口のそばにサヨナラタイムリーを放ったのに
どこか申し訳なさそうな石井がいた。
●両者譲らず
●2003年4月11日 巨人−阪神1回戦 (東京ドーム)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
阪神 0 0 0 1 1 0 0 2 3 0 0 1 8
巨人 0 0 0 0 0 1 0 0 6 0 0 1 8
先発が当時メジャー帰りの伊良部とルーキー木佐貫との投手戦だったこの試合は、9回表に移籍後初となる金本のダメ押しホームランが出るなどスコアも7−1の6点差となり完全に阪神ペースだった。
9回裏巨人の攻撃も2死2塁となり、レフトスタンドからもあと一人コールが起こっていた。
ここから巨人の驚異的な粘りが炸裂!
ぺタジーニがヒットでつなぎ、元木がタイムリーで5点差。続く阿部が四球で満塁。次の仁志のカウント2−0から、星野監督はここでなぜか吉野から藤川に投手交代。これが裏目に出て仁志も2点タイムリーを放ち3点差。そして、極めつけは代打後藤の起死回生の同点3ラン。
なんと9回2死から6点差を追いついた!
しかしその後、巨人も勝ち越しきれずに試合は延長戦に。
12回表アリアスの犠飛で阪神が1点を勝ち越すも、最終回巨人は高橋由のソロで同点。結局両者譲らず8−8の引き分けとなった。
巨人にとっても阪神にとっても「負けなくてよかった」試合だったが、この試合の後勢いをつけたのは阪神であり、その後巨人に2連勝して、その勢いのままその年のペナントを突っ走り18年振りの優勝をした。
●サヨナラ
代打の切り札 満塁男
●2001年9月30日 ロッテ−オリックス27回戦 (GS神戸)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
ロッテ 2 0 0 0 0 0 0 4 0 6
オリックス 0 0 0 0 3 0 0 0 4× 7
この年、北川の奇跡の優勝決定サヨナラ満塁弾が飛び出して間もない4日後に起きたミラクル!
8回にロッテが初芝の3ランなどでリードをもったまま9回裏3点差。
マウンドには今や絶対的なロッテの守護神の小林雅。
簡単に2アウトになりランナーもなし。誰がどう見てもオリックスの負け試合であった。
そこから奇跡は起きた。
ビティエロ・大島・葛城の3連打で満塁。
ここで仰木監督が出した切り札が 代打 満塁男 藤井康夫
GS神戸に集まったファンは藤井が満塁男であるということを知っていた。
ファンの期待を背に藤井が打席に入り、
小林雅の球を打ち返した。
その打球は打った瞬間にわかる放物線。
また滞空時間の長い大きく弧を描く藤井らしいホームラン。
きれいに舞ったその打球は
ライトスタンドに吸い込まれていった。
まさに劇的!!
9回2死満塁の3点差からの、そしてなんといっても代打の逆転満塁弾!
野球の理想の逆転試合をやってのけた藤井はまさに男。
この満塁弾によって藤井は歴代満塁本塁打数が
世界の王の15本にあと一本と迫る14本と単独2位となる。
ちなみにこの劇的な満塁本塁打は、
4日前の大阪近鉄の北川が放った
代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームランの影に隠れてしまっている。
この土壇場でのホームランの話が、一番のお気に入り!
まだまだ追加予定中。 やきゅうのページへ
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