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リハビリ〜退院


生着を勝ち取り念願の無菌室脱出!
つぎは退院を目指す!!
そんなやっつぁんに対して
ナゾの腹痛&サイトメガロ星人がたちはだかる。。




 無菌室から出た世界は、バリアがいっぱいだった
 3ヶ月間ずっと寝たきりに近かったため足の筋力はゼロ。普通の生活がこなせないくらいやせ細っていた。ドアは重いし、あいかわらず頻尿は続いてるけどトイレがとても遠い。
 まずは筋力トレーニングから。
 クリーン病棟の廊下で歩行訓練、何往復も行って帰っての繰り返し。でも楽しかった。
 つらかったのがシーツ交換や業者さんの清掃。。。2・30分は病室の外で待っていないとだめなのでイスに座っていてもしんどいよ〜

 肌にはGVHDにる赤い皮疹が出始めていて、さい帯血ちゃんのチカラを感じれる。
 GVとサイトメガロ星人にはよーく気をつけて観察。
 MAPも血小板の輸血も3日に一回くらいまでになっていた。


 そして、1週間くらいで
四人部屋にデビューすることになった(^^)


 入院以来今まで四人部屋は最初の病院で1週間くらいしかないので、楽しみと緊張でいっぱい。
 部屋には、化学療法だけの人、移植後・移植待ちの方がそれぞれいた。すぐに退院してった高校生のKくん、移植後仲間のアニキOさん、ハーフの男の子のWくん。
 みんな治療内容も違うけど、血液の病気と真剣に向き合っている同じ仲間。部屋はカーテンがいつも開けっ放しでみんな明るい雰囲気。やっつぁんの四人部屋デビューは大変恵まれていた♪


 バイクマシンでの運動の許可がおりて、トレーニングの幅がグンとUP!!


 ちょうど時期がドイツW杯と重なって、部屋の雰囲気はサッカー一色やった O
=3
 隣のWくんのお父様はブラジル人、日本と予選で当たるけど余裕の表情で「にほんには、かちますよ」と言いながら、そのお父さんの大好きな欧米式パズルゲームでみんなを取りまいて、仲をどんどん良くしていってくれた。


 着実に免疫抑制剤とステロイドの量が減ってきたが、それに伴い
よく腹痛に悩まされた。
 四人部屋の恐ろしさは、ふだん調子のいいときに開放的にしてる分、しんどいときに閉じこもってるとみんなに心配されてしまう。。一日中ぐったり。。。運動も禁止。
 この原因不明の腹痛は2ヶ月間ほどずっとやっつぁんを苦しめた。


 ある意味大変な行事が!
 研修医の先生のマルク。。。
 移植後8週目のマルクは研修医の先生によるもの。1年目で採血もまだままならない。。そんなわけで本当に大変だった。

 ひやひやマルク06年6/7日の日記より
(記事を出すor元に戻す)

 今日のメインイベントはマルク。研修医の先生に初めてやってもらうマルク!やっつぁんでマルク経験は2人目というからなかなかハードな条件やった。 普通ならこりゃ不安と思うもんやけど、どぉーんとお願いしてもらった!
 平気やった一番の理由は あの膀胱炎の痛みを耐えぬいたから!(T ー T ) もう他の痛みならなんでもアリになってた。
 予定時間は11時。マルク後は1日お風呂禁止やったから午前中から急いでお風呂をすまして準備して待っていた。
 でも時間がきてもなかなか始まらない。というのも指導付き添いするはずのS先生がいつまで経っても来ないという理由で結局始まったのは昼食後やった。やっつぁん的にはいつでもよかったけど看護師さんや研修医の先生はなんかヤキモキしてた(^^;
 いざマルク!マルク経験1人という先生の処置が始まった。
 イソジン消毒→OK
 器具装備(?)→素手で触れちゃったのか総取替えのような指示が。。。
 麻酔→OK 針を刺すと表面が痛くて追加してもらった。
 「じゃあマルクの針を刺しますね」と先生の声が!二つ返事で「はい!」
 「せーっの!!」  せせーっの!? そんな掛け声今まであったっかな!??
 「うーん」 S先生「もう一回だね」
 「じゃあもう一回いきますね。せーっの!!」
 「刺さりました!」  おおっ!
 「じゃあ抜きますね。 1、2 の 3!!」

 スポンッ!!

 えぇっ!!(゜Д゜)スポン!? これは何の音?たぶんシリンジが勢いよく抜けた音。。。初めて聞いた音やった。
 「先生抜けません」 S先生「たぶんしっかり骨に刺さってなかったんだね」
 「でもしっかり刺さっていますけど…」 S先生「よくあることだから、もう少し奥まで刺してやってみて」 へぇ〜よくあることなんやぁ。。。
 「じゃあもう少し押してみるね」
 グリグリグリ。。。 イテテ(> <)やっつぁん「先生それ以上は器具が当たって痛いっす」 S先生「よし!じゃあそれで引いてみて」
 「じゃあやってみるね、1、2の3 !!」 「抜けました!」 S先生「じゃあもう一回抜こうか!」

  。。。 こんなカンジで一回刺しなおしはあったけど大したミスもなく痛みもなく研修医のK先生はマルク2回目を無事にやってのけてくれた。後ろに学生さんのオーディエンスがいる中での処置やったからやっつぁんより緊張したやろうな。
 その現場にいた俊輔似の学生のM君は後で「痛そうだったね」と素直な感想を聞かしてくれた(^^)



 マルクの結果は良好!!マルクの痛みなんて膀胱炎に比べればかわいいもんや(笑)


 慢性的な腹痛の中W杯が開幕。元気に応援したいけどやっぱりぐったり。。
 そんなある日、薬剤によるアレルギー事件が起きた。

 入れていた点滴は
ガンマグロブリン、感染予防によく効く薬で白血球が少ないときや外来の風邪予防でも処方するらしいお薬。
 いつものように点滴で落としていると10分も経たないうちに胸が痛くなり始めて骨痛が起こった。つぎに手足のかゆみが激しくなって苦しくなって看護師さんにギブアップ。すぐにステロイドを使用して対処したおかげで症状は収まった。
 アレルギーが起きた原因は、、、落とすスピードが早かったため。。。担当したのは研修医の先生。その後謝罪があったけどやっつぁんは事の重大性に気づいてなかったのでポカーンとしていた。今考えるとおそろしい。。


 日本はトリノだけでなくW杯でも苦戦していた。オーストラリアに惨敗、クロアチアに引き分け。。。
 ブラジル相手に2点差で勝てるわけないやん〜〜


 新しく隣に来たSさんは、手作りおもちゃの名人。 絵がとても上手で細かい作業がすごい。Wくんのために紙で作った虫をあげたり楽しそう。
 手作りブームが巻き起こった。
 まずは、割り箸鉄砲!Wくんはかなり気に入ってくれて検温にくる看護師さんに向けて撃ちまくり。
 つぎに折り紙!鶴やカエルや飛行機や紙鉄砲。DSみたいな携帯のゲーム機ばっかりの子供が夢中になって喜んで遊んでくれて本当に嬉しかった。


 そして、日本は敗退しヒデは引退を決意した。
 Wくんのお父さんは「ブラジルつよくてごめんなさいね」と病室のみんなを励ましてくれた。



 そして一番情けない出来事が。。
 ゲームのし過ぎで
ルンバールをやるはめに。。。
 DSって便利でワイヤレスで対戦ゲームができる。Wくんからマリオの相手になって欲しいとお願いされるので一緒に夢中になって遊んでいたら、目の疲れからくる頭痛がするようになった。何気なく先生に今日は頭が痛いですね〜と言ったことが発端となり、、、、

 先生が怪しみ始めて、、、ルンバールが決定した(T □ T  )
 「先生!ただのゲームのし過ぎです!!」「いややるよ」
 「そんな。。もっと様子を見てからでも」「だってこの病院でまだ一回もしてないでしょ♪」
 半ば、検査データの充実のためにルンバールが実施された。。。
 例のごとくおやつのカールみたいに体を丸めて検査させられた。もう二度としたくないww

 結果は問題なし(T T)
ホラミテミィ



 7月に入って低菌食が解除に!
 バイクマシンと歩行訓練の毎日。
 そして、すぐに
院内フリーの指示が出る(^^)
 これが意味することは、友達と面会ができて、携帯電話が使える部屋に行けて、下の売店まで買い物が行けるということ!!スゴイぞ〜


 移植後100日目が経過。 重度の急性GVHDも出なくて慢性の時期へ突入することができた。
 それでもなおナゾの腹痛や微熱や吐き気に悩まされる日々が続いていた。
 サイトメガロは陰性、下痢などの症状はなし。食欲不振による胃カメラ検査。。
慢性GVHDによる十二指腸炎という診断がされる(* *)あとでサイトメガロ胃炎とかわった。

 症状が改善してこないため、一日5mgまで下がっていたステロイドの量を20mgまで増量。
 すると熱も治まりみるみるうちに良くなっていった。ステロイドって凄い。。


 Wくんが妹からの移植のために個室に移っていった。
 みんなで頑張って!と励まして送り出した。みんなで元気になって美味しいものを食べに行く!それが約束。




 8月、入院から一年が経つ。この夏も病院で過ごしそう。

 世間は亀田の疑惑のチャンピオンから、甲子園のハンカチフィーバーまでとっても賑やか。
 調子もよくなり抗生剤がなくなり点滴がはずれた。
 月一回のマルクも順調!!


 そして、甲子園で桐蔭の中田と早稲田のゆうちゃんが対決している、まさにその時、あの人と初対面!!
 掲示板のカキコミスト のごんちゃんこと ごんぞうさん がやってきた!!
 面会にやってきてくれて、初対面にも関わらず気さくにいろんな話をして励ましてもらえた(^^)


 いよいよ試験外泊!!
 これまで院内フリーになってもずっとそこから出れなったエントランスが立ちはだかった。
 一見ただの自動ドア。いやほんとにただの自動ドア。 でもここから先にずっと行けなくて通せんぼになっていた境界線。
 なんなく通過!
 外に出るとすぐにムアーっとした空気に包まれて着ていた服が一気に生暖かくなった。やっぱり外は暑いね。でも半年振りに外の風に当たることができて嬉しかった。それから一気に家までドライブ〜
 久しぶりの自宅は団地なのに古い家の臭いがして狭く感じた。夜はいとこの家にお邪魔になって焼肉をごちそうになった(^^) 本当に久しぶりに美味しいお肉が食べれて感動してしまった。


 部屋に新しい仲間も。移植を終えたばかりの小学生のDくん。
 移植後3週間らしいのに元気に廊下を歩いている。。子供の回復力ってすごい。本当に素直でいい子。のちのち家族ぐるみでお付き合いの仲に(^^)


 病院内の公園にも散歩にも。ちゃんと散歩コースがあって運動になる。


 2度目の外泊。帰りの日は、高校野球の決勝のためなかなか病院に帰れなかった。延長15回引き分け再試合。
 観てるだけでめっちゃパワーをもらえる!!
 翌日は病室のみんなで早稲田の初優勝を見届けた。


 外泊が3回目を過ぎる頃には毎日が本当にヒマの連続、読書、Dくんの相手、料理番組にかじりついて、リハビリトレーニング。。


 ついにこの言葉が『来週退院ね!』

 ついに、ついに退院の予定日が決定〜〜!!(゜ ▽ ゜ )))

 このまま問題なくいけば9月3日(日)の退院予定
 マルクをして、金曜日に胸のIVHを抜いて、日曜日にめでたく退院という段取りになった。


 家に帰る準備。。お世話になったみんなとの別れは悲しいけど、喜びのほうがはるかに上回っていた!!
 みんなに渡す手紙もカキまくり〜




 ところがどっこい!! IVHを抜く前日に。。

 サイトメガロ網膜炎!!


 退院決定に喜んで周りの患者さんと話をしていると、ふと左目に虫みたいな黒い点々としたものが飛んでいることに気がついた。 目をこすってみても消えない。左目だけに見えていたから目の中のゴミだと思って水で目を洗ってみたけど取れない。目薬を指してみるとよけいにひどくなった。
 なんじゃこれは??と思って看護師さんを急いで呼んで話すとすぐに先生もやってきて、とりあえず眼科受診に行くことになり、サイトメガロ星人の仕業と判明!!しかも治りかけているとの診断。。自覚症状はなかったのにwww

 主治医のM先生には「これで10日以上は退院延びたね」と念をおされた。

 その日からデノシンの点滴が開始。このことを病室のみんなに言うと、隣のD君だけは遊び相手がいなくならないことに喜んでいた。

 左目にはアメーバみたいなゴミが浮いている状態。
 半目を負いながら、日ごろするのはちびっ子とのUNO大会、Dくんが持ってきたプラモデル作りの完全まかされ制作、おでんくんのDVD鑑賞、そして、こどもチャレンジでの勉強。リハビリは??

 テレビでは男の子が生まれたと賑わっている(悠仁さま)。紀子さまが、さい帯血の提供をしてくれた知らせを聞いて嬉しかった。そのさい帯血が移植に使われたら。。皇族入り!?(笑)


 知覚過敏になって、辛いものが食べれない。冷たいものもちょっと苦手。
 それでもどうしてもマクドの月見バーガーが食べたくてDくんの家族にお願い。しかし、これがアダとなった。。。
 夜にトイレで吐いて、、、あっさりダウン。たぶん胃腸のGVと食べ合わせの悪さが原因。
 このときに、まだまだ食欲は本調子じゃないなと改めて自覚した。



 サイトメガロと格闘する中、Wくんが移植後40日という驚異的な早さで退院していった。本当はあと一週間早くてもよかったらしい。なんて回復力。。。


 
外泊!!交通機関を使って初めて自分の足で家まで帰った。


 眼科受診、『だいぶキレイになってるね、もう点滴しなくていいよ』 と退院へのGOサインが出た!
 やっぱり左目に見えている黒い物体はずっと見え続けるかもとのこと。
 その場で次に眼科の外来に来る予約を済まして病棟に戻ると、すぐに主治医の先生が来てくれて
『今週末での退院』の指示を出してくれた。これで2度目の退院許可を獲得!!今度こそ絶対に家に帰れるはず。 一度延期になっただけに慎重になりながらも病室にもどると喜んでみんなに報告した!

 つぎの日の午前中には最後の点滴(ガンマグロブリン)をし、胸のIVHを抜いた。そして熱が出た。



 そして、退院の時がやってきた。



 ついについに!念願の退院!!!!


 9月23日(土)退院!


 大学病院に転院して来てから実に8ヶ月、市民病院と合わせての
 トータルの
入院生活1年2ヶ月の日々を経て家に帰る日がやってきた。


 この日を迎えられたのは、すべて主治医の先生、看護師さん、家族、同じ病気の仲間、HPを訪れてくれるみんな、そうじのおじさん、面会に来てくれた友達の、、みんなのおかげ。一人じゃやってこれんよ。。。


 本当に本当に みんな 感謝。


 これからの毎日が特別な日々になるようにいつも感謝を感じて、
 この経験から得た気持ちをいろんな人に伝えていきたい!



 これからがまた先の長い長〜いレース!
 第2幕となる自宅療養の外来闘病記も頑張っていかないと!




 長い移植治療が、おわった。




    

‐10‐


 


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