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   Study−白血病について−


『白血病』 この病気になって治療していく上で一番感じたことは、
まわりのみんなにとって『白血病』とは(一般的にも)
名前こそメジャーな病気には違いないけど、
どんな病気であるか・治療法があるのかについて
ほとんど知られていないことに気づく。
 
 
   ここは単純に病気のことを知ってもらうページ。




白血病とは?

 
簡単に言うと 血液のがん。
 人間の赤い血は大きく分けて、赤血球・白血球・血小板の3つによってできているんだっていうことは小中学生の頃習ったやんね、これら3つは血球と呼ばれて血漿という液体の中を泳いで全身をかけめぐってそれぞれの仕事をこなしているらしい。
 この3つの血球は骨髄やリンパ節(工場)でつくられている。 白血病とは血液のがんというより、この血球のがんのこと。 この血球をつくる細胞、造血幹細胞(材料)が骨髄(工場)の中でがん化して無制限に増え続けるために正常な血球がつくられなくなる病気

 
病名は、放置しておくと異常な白血球が増え続けてしまうせいで正常な赤血球がつくられなくなり、採血した時に白っぽく見えるので白血病と呼ばれ始めたと言われている。

  
[血液の役割]

  赤血球  ― 全身に酸素を運ぶ、赤いのはヘモグロビン
  白血球  ― 侵入してきた細菌や病原菌をやっつける、免疫力
  血小板  ― 出血を止める

白血病の区分け

 白血病にはその臨床経過や悪性化した細胞の種類によって急性と慢性・骨髄性とリンパ性があり大きく4つに分類される。ちなみにやっつぁんは(成人)急性リンパ性白血病(ALL L2)

症状

 症状は人それぞれでこればっかしは自分の体験談(急性リンパ性白血病の場合)になってしまうけど、
 風邪をもらいやすくなる(抵抗力の低下)・慢性的な発熱(一ヶ月のうち3日に1日は熱あり状態)・寝汗・痩せる・そして首のリンパ節が腫れてくる
 などがあった。この腫れてくるおかげでもっと早い時期に病気であることに気づけてたんやけどなぁ。。。みんな疑わしいと思ったらすぐに行動やで!!
 映画やドラマみたいに鼻血がでたり、出血がとまらないとか、突然倒れたりはしなかった。

原因

 病気になる原因は明らかになっておらず、一応血液細胞の遺伝子レベルでの異常が原因とされている。主に後天的とされているが先天的要因(免疫不全や染色体異常)もある。



骨髄って?

 
骨髄っていったい何?背骨なのかへ?? と思うのがあたりまえで、そうではなくて背骨などの大きな骨の中芯にある血液をつくるスポンジ状の組織のこと。要は血液の工場である。
 背骨 だけじゃなく胸骨(胸の中心あたりの骨)か腸骨(腰の骨)などにもある。実は赤ん坊の頃にはどの骨にもあるらしい。ここは骨髄液に満たされていて、その液体の中に赤血球・白血球・血小板といった血液成分のもととなる造血幹細胞が含まれている。


骨髄穿刺(こつずいせんし)
(マルク)


 
白血病になると骨髄中の芽球(白血病細胞)の割合を見て治療具合をはかるので、病気の経過を知る上でこの骨髄液の採取が何度となく行われる必要がある。そしてこの採取、骨髄穿刺(通称マルク)と言うんやけど治療の中でも一番プレッシャーで...なんていうか,,,イタ気持ちわるい。採り方は、わざわざ背骨からじゃなくて胸骨(胸の中心の骨)か腸骨(腰の骨)のどちらかに直接注射を刺して採る。 まだ胸から採ったことはなくて腰からの感想しか言えへんけどいいもんじゃない。冷や汗でベットがぬれるくらい苦手や〜この先何回マルクしないとあかんか考えるだけでまた汗が出てくる。





治療法は?

 抗がん剤による化学療法と骨髄移植などの造血幹細胞移植療法、放射線療法がある。




1、化学療法


 白血病治療にまず用いられるのがこの抗がん剤による治療法である。ふつうのガン治療は体を切開してガン細胞を摘出する外科のイメージが強いが白血病は血液の病気なので外科手術はない。(あると言ったら検査のために軽く生検するぐらい) 抗がん剤治療は抗がん剤が体中をめぐりめぐって血液中の白血病細胞を減らしてしまおうとする治療なので全身療法とも呼ばれている。

 抗がん剤には点滴・注射・錠剤などがある。
 治療の際の点滴は普通腕からするのが主流やけど、腕の血管が細くて刺しにくかったり骨髄移植前などには首や鎖骨下の静脈にIVH(中心静脈カテーテル)という管を取り付けてそこから薬を入れたり採血をしたりする。便利やけど取り付けるの怖そう。

  [髄注]
 もうひとつやっかいな抗がん剤を打つ方法が髄注(ルンバール)である。簡単に言ったらマルクの要素+抗がん剤注入 のこと。
 髄注とは背骨と背骨の間に針を刺して脳や脊髄をやさしく包んでる脳脊髄液に抗がん剤を入れる治療法。普通の抗がん剤だけでは脳の側まで入り込んで潜伏してる白血病細胞を退治できないためらしい、髄液は抜いた分だけの抗がん剤を入れるのは脳骨髄内の圧力を一定に保つため。脳は敏感!
 ただし、マルクとは実施目的と検査箇所が違う。
 (マルクの時に調べる骨髄と髄注するときの脳脊髄液とは別もの)

 副作用として頭痛・吐き気、あと刺した部分の痛みなどがある。やっつぁんの場合この薬を注入するとすぐにお尻の穴を下から激しく突っつかれるようなしびれをいつも感じる!でも30分ぐらい寝てたらおさまる。(止血のために1時間は仰向けで寝ておく)


 抗がん剤の副作用

 まず一番気をつけないといけない副作用が骨髄抑制。正常な血球もいっしょにやっつけてしまうので白血球・赤血球と血小板が減る(抵抗力低下による発熱・出血が止まらない)、他には吐き気や嘔吐・食欲不振・下痢や便秘・内臓器官へのダメージ・手足のしびれ・生殖器へのダメージ、そして脱毛 などがあげられる。 全ての患者さんが全部の副作用の症状を出すわけじゃあない。
                                   クリーンルーム・
        通常(健康な人)  骨髄抑制時    輸血が必要な値

  白血球    4000〜8000     0〜1000  好中球(白血球)が 500以下
  血小板    13万〜 40万   1万〜  5万           2.5万
ヘモグロビン 14.0〜17.0   6万〜 10万             7万


 化学療法の役割

 全ての白血病治療は、まずは
完全寛解(かんぜんかんかい)を目指す。化学療法の治療は2段階に分けられる。

1、寛解導入療法  白血病細胞を減らしていき寛解状態までもっていく
2、寛解後療法    寛解後さらに残っている白血病細胞をじわじわ減らして寛解状態を維持すると(地固め療法)と、再発を防止するために1〜2年行う(維持強化療法)

  [完全寛解?]
 骨髄や血液中に白血病化した芽球を認めないこと。とりあえずマルクをして骨髄中の白血病細胞が5%以下になることをさす。寛解にいたると白血病の症状は全く見られなくなる。診断時に1兆個あるという白血病細胞は寛解となっても体内にはまだ10億個も残っているらしく、これが完全治癒というわけではないからとりあえずの治療の目標値やねんて。


 維持療法
 これが重要な治療で、抗がん剤を投与してしばらく(1週間くらい)すると副作用で説明した骨髄抑制がほぼ確実におこるため患者さんは極度の抵抗力の低下(感染症にかかりやすい)と出血の症状が出るために血液が正常な値に戻るまでクリーンルームという菌の少ない環境で隔離される必要がある。このクリーンルームでは清潔なのはもちろん常に24時間きれいな空気が出る大型空気清浄機があったりトイレ・冷蔵庫・電子レンジなど数週間そこで生活できる機器がそろっている。この治療中気をつけるのは感染症防止のために殺菌・除菌・食事制限・面会制限、出血防止のためにケガの注意・過度な運動禁止がある。外傷ならまだいいけど脳内出血なんかが起きたら一命に関わるらしい。

 この維持療法が明けるとマルクをして治療の効果を確認、次の治療がまた始まる。

簡単なまとめ
 つまりこう! 一回目の化学療法で強い抗がん剤を使って寛解状態までもっていき、寛解になったらちょっと減らした抗がん剤でまた治療をする。これを5〜8クールほど繰り返して順調にいけば退院、外来で1、2年治療を続けて
寛解状態が3年続いて初めて治癒といえる。


急性リンパ性白血病で用いられる抗がん剤(商品名)

 
エンドキサン・アアリシン・メンソレキセート・オンコビン・プレドニン・ロイナーゼ・ダウノマイシン・ノバントロン・キロサイド・ロイケリン・フィルデシン・ラステット・ベプシド など




2、造血幹細胞移植療法


 骨髄移植・抹消血幹細胞移植・さい帯血移植があり、白血病細胞に侵された骨髄を正常な骨髄に置き換える治療法。



骨髄移植 (BMT)

 骨髄移植って名前だけ聞くとほんと恐ろしい。臓器移植みたいに背骨でも取り出して移植するん?と最初聞くとこんな風にイメージしがちやけど、あくまでも白血病の治療では外科手術はない。移植自体は点滴ですむらしい。ただそれまでの前処置が大変やねんなぁ。

 なんで移植?

 化学療法では治療中は白血病細胞をやっつけることができるが治療を終えるとそれ以降の白血病細胞の増加を防ぐ力がない。(しっかり退治できてたら問題ない)
 一方骨髄移植には、移植後白血病細胞に対してやっつける力をもっている(GVL効果)。その力のおかげで化学療法だけでは治らないやっかいな白血病も治せる可能性がひろがっている。


 骨髄移植の内容

 骨髄移植ではまず始めに前処置といわれる治療を施す。
 白血病細胞を徹底的にやっつけるために、大量の抗がん剤の投与 と 全身への放射線照射 を行う。
 すると患者さんの骨髄は大きなダメージを受けて重度の骨髄抑制が起こり、正常造血が回復しなくなる。要するに患者さんの骨髄は叩きのまされてスッカラカンになってしまう。
 そこで、他人の骨髄(造血幹細胞)を輸血し、この移植した造血幹細胞に血液細胞を作らせるのが、骨髄移植の治療法です。
 ドナーの骨髄採取方法は、全身麻酔を施し腸骨から直接骨髄を抜き取る。採取時間はおよそ1〜2時間ほど。


 ドナーは誰でもいいのか?

 誰のでもいいわけじゃない。じゃあ血液型が合っていればいいんかなと思ったけど、それも違う。
HLAという白血球の型が一致しないとドナーにはなれない。
 その一致する確率は、兄弟間では1/4の確率でみつかる。親なら1/1000ほど、他人なら 1/数万〜 1/数百万の確率と言われている。ちなみにやっつぁんには姉がいたけど大ハズレやった。骨髄バンクでも8割の人は最低でも一人は見つかるっていうのに一致する人がいなかった。ほんま見放されてるって思ったなぁ。


 移植でのデメリット

●移植では前処置に通常の化学療法よりも大量な抗がん剤を使用するため、当然その副作用も強くなり骨髄抑制も強いため、より長期的でより高度な無菌室での生活が強いられる。

●他人の骨髄(造血幹細胞)が入ってくるために起こる免疫反応がある(GVHD)
 これは、ドナーの血液細胞中の免疫戦士 リンパ球 が患者さん自身を非自己(こいつは敵だ!)とみなし、患者さんを攻撃することがある。この免疫反応を 移植片対宿主病 
GVHD という。症状として、皮膚に発疹が出たり・肝障害や下痢などの臓器障害があり、重症になれば生命を脅かす合併症である。
 GVHDの強さ  兄弟<非血縁者  若年者<高齢者  という傾向がある。

 GVHDを予防するために、移植前から免疫抑制剤を投与する。しかし、これも感染症にかかりやすくなるというリスクとの兼ね合いで使用しなければならない。

●ドナーの骨髄を採取する時の負担
 骨髄を採取するためにドナーとして適正か全身検査が必要・数日間の入院・採取時に全身麻酔の使用 などがある。


 移植でのメリット

●強力な前処置を行うため、白血病細胞を徹底的にやっつけることができる。

●ドナーリンパ球がGVHDを起こすように、白血病細胞に対しても敵だとみなし、移植後にもわずかに残っている白血病細胞をやっつけてくれる作用がある。これを移植片対白血病効果(GVL効果) という。
 このGVL効果はGVHDにともなってあらわれるので移植後全くGVHDが出ないよりも少しは出た方がいいんかもしれん。

 どちらをふまえても、
 
骨髄移植は白血病治療の中で最も効果のある治療方法といえる。



抹消血幹細胞移植 (PBSCT)


 移植方法としては骨髄移植と同じで、HLA適合ドナーの提供する造血幹細胞の採取する場所と方法が違う。骨髄移植よりもドナーの負担が軽いなどの利点がある。現在は血縁者間でしか行われていない。


 PBSCTの内容

 患者側の処置は骨髄移植と同じ。
 ドナーの造血幹細胞の採取は、ふつうの献血と同じように腕から行われる。
 まず、グランと呼ばれる通常クリーンルーム中の患者さんの白血球を増やすために使用する 顆粒球コロニー刺激因子:G−CSF という薬を連続5日間皮下注射すると、骨髄から血液中に大量の造血幹細胞が流出する。そして5日目と6日目に血液を採取して、骨髄移植と同じ方法でこの幹細胞を用いる。 採取時間は2〜3時間を2回 麻酔はなしである。


 骨髄移植と比べてのメリット・デメリット

 メリット
  GVHDに伴う抗がん効果GVT効果( >GVL効果) が期待できる。
  ドナーの負担が軽い(全身麻酔がない)。
  移植後の造血の回復が早い。

 デメリット
  慢性GVHDが増える。
  採取時ドナーに使用するG−CSFの長期的安全性が不明。


 PBSCTは、現在は血縁者間にのみ適用されているが将来的に非血縁者間においても実施されるようになれば、ドナーの負担軽減などを考えると ドナーバンクも飛躍的に広がる可能性を持っている。



さい帯血移植


 さい帯血とはお母さんと赤ちゃんを結ぶへその緒から採れる血液のことで、その中には骨髄と同様に造血幹細胞が豊富に含まれている。やっつぁんはこのお母さんと赤ちゃんという響きだけでそそられるものがあり、少しやってみたいなぁという気持ちがあった。
 ちなみにさい帯血の「さい」は漢字で書くと「臍」という字で、訓読みで「へそ」と読む。


 さい帯血移植の内容

 患者側の処置は骨髄移植と同じ。
 骨髄移植などと違い、HLA1〜2座不一致移植でも重要な拒絶反応の出現が少ない。さい帯血は、出産時にへその緒の中にある血液を即座に冷凍保存・確保するためドナー側の負担がない。(ただし、保存費は生んだそのお母さん側持ちらしい...Q、なぜ?? → A、生後半年間は母子の体に万が一のことがあった時のために使用することがあるから)
 さい帯血は採取できる量が限られているから当初小児への適用が主であったが、HLA不一致にも関わらず重症GVHDが少なく、抗白血病効果も十分に認められるようになり、近年ではその成績は骨髄移植に匹敵する報告もされており、成人の利用もも移植自体の需要数も急激に伸びている。


 さい帯血移植のメリット・デメリット

 メリット
  HLAが1〜2座違っていても移植が可能。
  重症なGVHDの心配が少ない。
  さい帯血バンクでの保存がきくためすぐに移植が進められる。

 デメリット
  骨髄移植に比べ抗白血病効果が弱い。
  移植後の正着が少し遅い。(白血球・血小板の回復が若干遅い)
  正着拒絶の発生が高い。
  死亡原因として感染症の頻度が高い。
  採取できる量が限りがあるので、成人への移植において幹細胞数が少ない。
  他の移植と比べまだ歴史が浅いためデータが少ない。


            さい帯血移植     骨髄移植
   2003年度      692件       737件
   2004年度      665件       851件

 上記の数字から見てもわかるように、さい帯血移植は今や骨髄移植と並ぶ造血幹細胞移植の一つとして役立つことが示されてきている。



自家骨髄移植

 寛解時の白血病、骨髄まで侵されていない固形腫瘍・リンパ腫などで適用される。
 患者自身の骨髄をあらかじめ採取し造血幹細胞を分離した後に冷凍保存。強力な治療(前処置)をしてから、また保存していた骨髄を移植するという治療法。
 GVHDは起こらず、造血機能の回復は早い。しかし、保存していた骨髄液に悪い細胞が残っている可能性があり再発率が高く、骨髄を一度モノクロナール抗体などで処理してから自家移植する場合もある。
 現在では抹消血から用いる自己抹消血幹細胞移植が増えている。



ミニ移植


 ミニ移植って?やっぱり手軽で簡単な移植というイメージがわく。
 高齢者臓器障害患った患者さんの場合、通常の移植のような放射線治療や大量化学療法は使用できないため移植治療は適用されてこなかったが、完全に骨髄を破壊しなくてもよいこのミニ移植によって前処置による合併症を心配しなくてよくなり移植の幅が大いに広がった。




3、放射線照射療法


 患部に放射線エネルギーを照射するがん治療法の一つ。主に脳や脊髄の白血病に予防や治療に用いられる。最も強い免疫抑制療法として骨髄移植の前処置などに用いる。




工事中。   

       −やっつぁんはフツーの学生なので間違え等があればお知らせください−




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